悩み
業績が上がらない。赤字が続く。
先月、個人のお金200万円を会社へ貸し付けて急場を凌いだが、今後が不安。
古参の従業員が、社長・専務である自分の言うことを聞いてくれない。
従業員同士が、なんとなくギクシャクしているようだ。
知り合いの経営者から「経営理念を学ぶべきだ」とアドバイスされ、一生懸命勉強しているが改善されない。まだまだ勉強が足りないのか?努力が足りないのか?
人事コンサルタントのセミナーにも参加してみたが、うまくいかない。
結論
社長・専務の最も大切な仕事は、”利益を出す”ことです。
資金繰りは当然として、後継者の獲得も、さらには言うことを聞かない古参従業員への対処さえも・・・、社長・専務の悩みごとの多くは、”利益を出す”ことで解決します。
やらねばならないことはたくさんあるでしょうが、あなたがまず集中すべき仕事は、”利益を出す”ことです。
説明
社長・専務は、何が何でも利益を出さなければなりません。
利益を出すことのできない社長・専務は、失格です。
厳しい言い方をして申しわけありませんが、それが厳然たる事実です。
就任直後の3代目社長や専務の中には、
「会社を良くするには、何より経営理念が大切だ。正しい経営理念を作り、従業員と共有することに全力で取り組むべきだ。」
と教えられた方もおられると思います。
そして、一生懸命学び、努力されておられると思います。
その真剣で、本気の気持ちはよくわかります。
必死に努力されておられる姿も、ありありと目に浮かびます。
なぜわかるかと言えば・・・、それらはまさに昔の自分が行っていたことだからです。
20年前の私は、見よう見まねで経営理念を作り、事務所に掲げ、毎日の朝礼で一つずつ読み合わせをしていました。
けれども、いくらそうした努力を重ねても、会社の業績は良くなりませんでした。
ある日の社内親睦会で、従業員から言われた一言が私にはとてもショックで、今でも覚えています。
「社長が一生懸命なのはわかる。わかるけど、何か違うような気がする。」
経営理念をいくら説いても、古参の従業員の態度が変わることはありませんでした。
経営理念が要らないと言っているわけではありません。
ただ、物事には順番があり、重要性には大小があります。
就任直後の3代目社長や専務に必要なのは、経営理念ではありません。
必要なのは、会社に利益をもたらす、即ち”利益を出す”ことのできる能力・努力・実力です。
あなたは、”利益を出す”ことができますか?
従業員の給料を毎年上げ続け、
万一1年間営業できなくても従業員を解雇せずにすみ、
戦略的投資をスピーディに実行できる、
それだけの現金を、あなたの力で”利益を出す”ことができますか?
そうすることが、社長の仕事です。
社長・専務が3代目にもなると、先代までが作り上げた”利益を出す”仕組みによって、会社は”利益を出す”ことをそれほど意識しなくても、ある程度まわっていきます。
そのために、3代目社長・専務は、”利益を出す”ことの重要性についての関心が薄れがちになります。
その結果、3代目社長・専務は、先代があまり力を入れてこなかった分野のように思える、経営理念・自己啓発・従業教育・賃金計画・業務効率化・作業マニュアルなどなど、”もっと違う良い方法”を求めます。
高等教育を受けて頭が良く、行動力もあるあなたは、世の中に溢れる経営に関する様々な情報を集め、それらを試してみようとします。
そこに落とし穴があるのです。
大切なことなので繰り返します。
あなたの最も大切な仕事は、”利益を出す”ことです。
あなたが”利益を出す”ことができて初めて、従業員はあなたの言葉を聴いてくれます。
あなたが”利益を出す”ことができて初めて、従業員はあなたの指示に素直に従ってくれます。
あなたが”利益を出す”ことができて初めて、従業員や後継者は将来に不安を感じることなく、社長・専務についていこうと思うようになります。
ただし、利益が出るなら何をしても良い、多少のごまかしや無理強いはしょうがない、という”利益の出し方”は長続きしません。
経営理念が必要になるのは、この段階です。
まとめ
社長・専務の最も大切な仕事は、”利益を出す”ことです。
社長・専務は、何が何でも利益を出さなければなりません。
どうやれば利益を出すことができるのか・・・、それは別の記事でお話させて頂きます。
まずは、”社長・専務の最も大切な仕事は、利益を出すこと”だと、あなたが気づき、納得して頂けたなら、嬉しいです。
真面目で勉強熱心なあなたなら、やるべきことさえ定まれば、きっと”利益を出す”ことのできる社長・専務になれます。
そして”利益を出す”ことのできる社長・専務になれば、今のあなたの悩みの多くは解消されます。
「社長・専務の最も大切な仕事は”利益を出す”こと。”利益を出す”前に”経営理念”に取り組んでも、悩みは解消できません。」は、以上です。
私もまだまだ修行中です。
一緒に頑張りましょう。