マネジメント

従業員が会社を辞めたいと言ってきた時のただ一つの対処法。小さな会社の3代目社長の場合。

悩み

仕事終わりに、従業員が突然、会社を辞めたいと言ってきた。

理由を聞いてもはっきりしない。

今担当している仕事は、月末までにちゃんと終わらせていくと言う。

小さな会社で、ギリギリの人数で仕事を回しているので、辞められると困る。

やっとなんとか一人前になったのに。

 

結論

即座に会社を辞めてもらいます。

明日から出社しなくてよいと伝えます。

これが、唯一の対処法です。

 

説明

「社長、ちょっとお話しが、あるのですが。」

従業員がこんなふうに言ってくると、心臓がドキドキします。

そして従業員の話というのは、案の定。

「会社を辞めさせて頂きたいと思います。

今、私が取り掛かっている仕事は、責任を持って終わらせていきます。」

 

こう告げられた時に、社長がとるべき対処法は、ただ一つです。

その従業員を引き留めることはせず、即日・遅くても翌日には辞めて頂きます。

 

小さな会社は、従業員数も少なく、一人抜けるだけでも業務が回らなくなる恐れがあります。

なんとか引き留めたい気持ちは、私の経験からも痛いほどよくわかります。

それでも即座に会社を辞めてもらうしか選択肢はありません。

 

そうする理由は、以下の2点です。

 

1.いくら引き留めても、従業員の意思が変わることはありません。

 

「辞める」と伝えるまでに、従業員は相当前から用意周到に準備しています。

退職は従業員にとって、人生を変える一大事です。

生活が不安定になるなど、大きなリスクがあることも十分理解した上で決断しています。

その為、有給休暇を使って次の就職先の面接を受け、就職が決まっている場合もよくあります。

 

私も経験の浅い内は、辞めないよう説得してみていました。

従業員から具体的な原因を聞き出そうとし、その解決に向け努力すると伝えました。

 

けれども、どの従業員からも、結局本音を聞くことはできませんでした。

いろいろ会話を続けてみるのですが、会話の最後に従業員が言う言葉は同じでした。

「社長の気持ちはありがたいのですが、もう決めたことなので。」

 

 

2.「辞める」と言った従業員を、一時期とはいえそのまま働かせることは”百害あって一利なし”です。

 

たとえその従業員が現在抱えている仕事が、他の従業員ではうまく引き継げない場合であっても、「辞める」と言った従業員を、翌日も会社に残してはなりません。

 

自分たちの仲間から会社を辞める人間が出たことで、その他の従業員はとても動揺しています。

社長は、その動揺をできるだけ早く抑える必要があります。

 

他の従業員がふと抱くかもしれない「自分もこのままこの会社に勤めていて良いのか?」といった不安を、すぐに取り除かなければなりません。

 

そんな状態の中で、「辞める」と言った従業員とその他の従業員が休憩時間などで会話を重ねて、「辞める」と言った従業員にその他の従業員が感化されることがあってはならないのです。

 

社長はその他の従業員に対し、毅然とした態度を示す必要があります。

翌日の朝礼で、社長はこう言うのです。

 

「昨日、**さんから退社したいと申し出がありました。

私は、辞めると言った従業員を引き留めることはしません。

そこで、本人には本日から出社しなくてよいと伝えました。

私の力不足でこうした事態になったことを、皆さんにお詫びします。

彼(彼女)が担当していた業務を皆さんで対処して頂くことになり、本当に申しわけありませんがみんなで協力し合って乗り切りたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。」

 

そして残った従業員とのコミュニケーションを、普段以上にとるように努めます。

社長が先頭に立って、引き継ぎ業務をきちんと完了させます。

 

必要であれば、同時進行で従業員の採用活動を進めます。

 

まとめ

従業員が会社を辞めたいと言ってきたら、

1.引き留めることなく、

2.即座に会社を辞めてもらいます。

3.そして、毅然とした態度で、社内の動揺を収めることに尽力します。

 

ところで、こうした事態になって改めて、あるいは初めて、社長は従業員が途中退社しないようにするにはどうすれば良いかを考えます。

何が悪かったのか?

どうすれば良いのか?

それは、またいつか別の記事でお話させて頂きたいと思います。

 

以上で「従業員が会社を辞めたいと言ってきた時のただ一つの対処法。小さな会社の3代目社長の場合。」を終わります。

私もまだまだ修行中です。

一緒に頑張りましょう。

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